2020年1月20日。
私はカラーコーディネーター1級・第1分野ファッション色彩に一発合格しました。
2級と3級は取得済みなので、
これでカラーコーディネーター試験をコンプリートしたことになります。
カラーコーディネーター検定に合格すると合格証が送られてくるのですが、合格証が到着する前にWEB上で成績を確認することもできます。
便利ですね。
マイナーだと思われがちなこの資格、実は汎用性が高いんですよ。
私がなぜこの資格を取ったのか語りたいと思います。
カラーコーディネーター1級は色彩関連の資格で難易度が一番高い
「色彩の勉強」と聞いてどんな内容を想像しますか?
服やコスメのコーディネートでしょうか?
色彩を学問として捉えるとその範囲は膨大です。
波動などの物理学、色彩心理学、眼の生理学、材料や染色などの化学、マーチャンダイジング、美術史、建築学、文化人類学…
ありとあらゆる分野に関連しています。
世界に光がある以上、色と関わりのないものはありませんからね。
この膨大な色彩に関する学問を体系的にまとめたのが東京商工会議所が発行しているカラーコーディネーターのテキスト。
3級から1級まであり、1級は専門科目3分野(ファッション色彩、商品色彩、環境色彩)に分かれています。
そしてテキストの理解度を試験で確認し、一定水準に達していれば資格として認定されるという仕組み。
難易度は、過去の平均合格率で見ると、
3級が60%前後、2級が30%前後、1級が20%前後。
私の体感としては、3級は誰でも1か月くらい勉強すれば取れる感じ。
テキストを読んで、問題集を2~3回解けば、独学でも余裕。試験範囲も広くはないです。
2級もそんなに難しくありません。
日商簿記2級や国家資格の基本情報技術者よりも難易度は低めだと思います。私は両方とも持っているので感覚的に分かります。
ところが1級はかなり難しいです。突然レベルがグンと上がります。
簿記1級と同等レベル。
専門学校や仕事で色彩の勉強をしたことが無い人は、簿記1級より難しく感じるかもしれません。
試験会場に来ている受験者を見ると、2級や3級は学生っぽい若い人が多かったのですが、1級は20代後半以上の人が8割くらい。50代以上の方も何人かいました。
学生さんはほとんどいなくて、再受験者や実務経験者が多い印象でしたね。
色彩関連で他に知名度の高い資格は「AFTが主催している色彩検定」や「NPO日本パーソナルカラー協会が主催している色彩技能パーソナルカラー検定」がありますが、カラーコーディネーターに比べて出題範囲が狭いです。
そのため、色彩検定1級の1次試験とカラーコーディネーター2級が同レベルくらいだと言われています。
合格率や試験内容を見ても難易度には差があります。
カラーコーディネーター1級>色彩検定1級>カラーコーディネーター2級>>パーソナルカラー検定1級
難易度順にすると、だいたいこんな感じ。
なお受験者数は色彩検定が一番多いです。
カラーコーディネーター1級は2019年12月の試験が最後
色彩関連資格の最難関として君臨していたカラーコーディネーター1級ですが、2019年12月1日の試験をもって終了しました。
2020年からは試験制度が大幅に変更することに。
これまでの1級・2級・3級という階級制がなくなり、スタンダードクラスとアドバンスクラスという2つのクラス制度になりました。
2020年5月1日現在ではまだどんな試験内容なのか分かりませんが、
テキストを見た感じでは出題範囲が狭まっているので、難易度が下がるものと思われます。
おそらくスタンダードクラスが3級レベル、アドバンスクラスが2級レベルという感じになりそうです。
1級レベルの資格が無くなりました。
ただし、新制度の試験はまだ過去問が存在しないので試験用の勉強がしにくく、その点で難しいかもしれません。
出題の傾向が全く分からないので、テキストを完璧に理解し覚える必要がありますから。
私は数年前に2級と3級を取っていました。
1級もいずれ取ろうと思っていたのですが、「まだいいや」と思って先延ばしにしてきました。
ところが2019年にこの制度変更が発表されたため、いきなりのラストチャンス。
このワンチャンをモノにしないと一生取れない資格になってしまうわけです。
そういう理由で慌てて勉強を始めて、何とか間に合ったという感じでした。
カラーコーディネーター1級はもう取得できないので、もし今からカラー系の資格を取るなら「色彩検定1級」がおすすめです。
難易度が繰り上がり1位になりましたし、受験者数も一番多いので世間的な認知度が高いですから。
最難関資格を取ることに意味がある
「そんなに1級が欲しい?難しい資格にこだわらなくてもいいんじゃない?」と思われるかもしれませんね。
まあ確かにそうなんですけど、資格は最難関のものを取らないと箔がつかないんですよ。
司法試験に合格して弁護士や裁判官になればみんなが一目置きますが、司法書士を取っても「弁護士になれなくて妥協した人でしょ?」と思われちゃいます。
医師免許を持っていれば「頭良さそう」「高年収やべー」と思われますが、薬剤師だと「医学部に行く学力がなかったんでしょ?」と思われちゃいます。
司法書士や薬剤師も難関資格なのに、理不尽に見下されることがあるんですよね。
そのレベルが限界の人なんだって。
その分野の最難関資格を取っておかないと正当に評価してもらえないんですよ。世の中って。
資格は自分の能力を他人にアピールするものであって、それ以外には何の意味もありません。
知識が欲しいなら本を読んで覚えれば事足ります。資格取得者と同レベルの知識を得られます。
わざわざ資格なんて取らなくてもいいですよね。受験料を払って、試験対策用の勉強をして、試験会場まで電車に乗って行く必要はありません。
なぜそんな面倒なことをしてまで資格を取るかというと、
資格を提示するだけで「他人にこの程度の知識は持ってますとアピールできる」から。他人に自分の能力を認めさせるのに便利だから。
それが唯一の合理的な理由です。
以前働いていた職場の上司は天才でした。
彼は六法全書を1回読んだだけで暗記できるほどの記憶力の持ち主。麻雀も無敵で、オープンリーチであがれるくらい強いです(笑)
何度も驚かされることがありました。
司法試験だって簡単に一発合格できるくらいの天才。
本職は技術者ですが、弁護士になろうと思えばいつでもなれると思います。
しかしながら、彼を知らない人に彼の能力を信じてもらうのはめちゃくちゃ難しいです。すぐに示せる証拠がないですから。
でももし彼が司法試験に一発合格していれば、弁護士バッジをつけていれば、すぐに有能な人だと信じてもらえるでしょう。
「少なくとも弁護士レベルの有能さは持っている」とすぐに信じてもらえると思います。本当はそれ以上なんですけどね。
資格ってそういうものなんですね。
2級・3級に合格してもカラーコーディネーターと名乗れない
カラーコーディネーターと名乗るには1級を取っておかなくてはなりません。
法的には無資格でもカラーコーディネーターと名乗れますけど、あくまでも自称。
たとえば、カラーコーディネーター2級を取得していても「カラーコーディネーター」とは名刺に書けないんですよ。
資格の認可をしている商工会議所では「2級カラーコーディネーター」と名乗ることは許可していますが、「カラーコーディネーター」と名乗ることを許可しているわけではないんです。
3級の場合は「アシスタント・カラーコーディネーター」としか書けないルールになっています。
アシスタントって、めちゃ弱い感じがしますよね(笑)
単にカラーコーディネーターと書いてしまうと「何級を取ったの?」と聞かれた時にボロが出ます。嘘をついてるみたいになっちゃうんですよね。
「1級に合格してないのに自称してるの?経歴詐称じゃん」と思われかねません。
1級を取ると「1級カラーコーディネーター ファッション色彩」と名乗ることが許可されます。
簡略化して「1級カラーコーディネーター」と名乗る人もいます。
ちゃんとしたカラーコーディネーターって感じがしますよね。
何より「1級」という言葉に重みを感じます。
実際にみなさんがどんな風に書いているか検索してみたんですが、SNSやブログなどの自己紹介欄に「カラーコーディネーター」と書いている人は多いですね。
ただよく読むと、ほとんどの人は2級か3級しか取っていません。
本来は「2級カラーコーディネーター」とか「アシスタント・カラーコーディネーター」と書かなければならないルールになっていますが、守っていない人も多いです。
高卒なのに大卒と書くようなものですから、経歴詐称っぽい感じですね。
1級取得者、本物のカラーコーディネーターは本当に少ないです。
あと1級カラーコーディネーターの人は実名で色のお仕事をされている人が多いですね。
2級以下の人で実名を出している人はほとんどいませんでした。
カラーコーディネーター1級の取得者は希少価値がある
カラーコーディネーターはマイナーなようでマイナーな試験ではないんですよね。
デザイン系の学校に通う人にはメジャーな資格。
2019年の受験者数は1級~3級までの合計で10524人。けっこういます。
2019年の合格者数は3級が4160人、2級が1176人、1級が150人。
1級は少ないですね。
カラーコーディネーター検定試験は23年の歴史があるので、1級取得者は全国に3500名ほどいると思われます。
1級は3分野に分かれており重複合格者もいるため、それを考慮すれば3000人もいないと推測できます。
たった3000人。
めちゃくちゃ希少価値があるんですよ。
例えば、東大の合格者数は1年で3000人なので、ざっと見積もっても東大の卒業生は全国に10万人以上います。
希少価値が高いと思われている東大卒でもそのくらいいるんですが、
カラーコーディネーター1級はその30分の1以下。
しかも2020年からは1人も増えないので、3000人の希少性はさらに高まります。
カラーコーディネーターはあらゆる分野で役立つ
解説してきたように、
1級カラーコーディネーターは色彩分野の最難関資格で、希少価値が非常に高く、専門知識が豊富です。
「それは取っておくしかないな」ってことで、私は2~3か月間くらい真面目に勉強して最初で最後の試験を一発合格しました。
カラーコーディネーターの勉強をした理由はもうひとつあります。
それは、汎用性が高いのでいろんな仕事で役立つこと。
ウェブサイトのデザインにも活用できるし、ファッションアイテムやメイクの方法をブログで紹介することもできます。パーソナルカラー診断やプロダクトデザインにも活かせます。
私がサイト運営をする上で直接的に役立つんですよ。
実はそのことが一番大きな動機でした。
たとえ資格が取れなかったとしても勉強して得た知識は無駄になりません。
あと、毎日が楽しくなります。
街を歩く女性を見て「あの子は化粧を演色性の悪い蛍光灯の下でしてそう」とか、「アウターを青にすればスプリットコンプリメンタリーになるのにもったいない」などと思うようになったんですよ。
今まで気づかなかった色の面白さや、他人のファッションの改善点に気づけるようになりました。
色の楽しさを広めるウェブサイトを作りたい
この資格を取ったことでやりたいことが一つ増えました。
それは「色の楽しさを広めるウェブサイトを作りたい」ということ。
私も人並みに学校の勉強や資格の勉強をしてきましたが、試験勉強なんてつまらないですよね。ただただ苦行です。
でも、カラーコーディネーターの試験勉強は楽しかったんですよ。
色の世界は広く、深く、時に感動的。
単純に知識を得るということではなくて、そこには心を動かされるものがあるんです。
それを上手に伝えられたらなと思っています。
またカラーコーディネーターの資格は、弁護士や医師のように、それだけで職業が成り立つ性質ものではありません。
掛け合わせて初めて威力を発揮します。
- 服の販売員+カラーコーディネーター
- 建築士+カラーコーディネーター
- インテリアコーディネーター+カラーコーディネーター
- プロダクトデザイナー+カラーコーディネーター
- 漫画家+カラーコーディネーター
こんな風に、元の職業のスキルをパワーアップしてくれるものです。
そのため全然役に立てられないまま、ただ資格を持っているだけという人も多いんですよね。
特に主婦や学生に多いように思います。
知識はあるけど活かしきれていない人たちにライターになってもらえれば、
私はウェブサイトが作れるし、ライターさんたちは自分の能力を活かしてお給料を手にすることができます。
理想的。
今はやることがたくさんあって手がつけられませんが、いずれやってみたいです。
クラウドワークスやランサーズにいてくれるといいな。