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『フォードvsフェラーリ』エンジン音がヤバい!音で見る実話!

 

フォードvsフェラーリを観てきました。

2020年のアカデミー賞では「編集賞」「音響編集賞」を受賞しています。

「作品賞」「録音賞」にはノミネートされました。

 

この作品は観た人たちの評価も高かったし、私は個人的にこの時期のレーシングカーのデザインが大好きなので観たかったんですよね。

TOHOシネマズでは上映が終わりそうだったので慌ててGO。

1日1回の上映に減っています。

AUマンデー割引を使ってきました。

大人1人1100円。安い!!

 

作品名から内容はだいたい想像がつきますよね。

『フォードvsフェラーリ』。

フォードとフェラーリのルマン24時間耐久レースでの戦いを描いているんですけど、間違っちゃいけないのは"自動車メーカー同士の戦いって感じではない"こと。

主人公のケン・マイルズとキャロル・シェルビーがレースに挑む物語。

しかも実話。

ヨーロッパの車好きな人なら誰もが知っている伝説の戦いの裏側(フォード側の内情)を描いているんです。

 

あらすじ

希代の経営者ヘンリー・フォードが作り上げたフォードモーター。

戦後は世界中に自家用車を普及させた巨大企業に成長していました。

しかし1960年代になると販売台数が落ち込み、創業者の息子ヘンリー・フォード2世は経営の立て直しを図ることにします。

そこで目をつけたのが「カーレース」

世界的なビッグレースに勝ち「カッコ良さと性能を兼ねそろえたイケてる車」というブランド戦略で行くことにしました。

 

この時期、カーレースの世界で圧倒的な力を持っていたのはフェラーリ。

フォードはレース用のマシンを自社開発せず、破綻寸前だったフェラーリを買収して技術力を取り込もうと交渉します。

しかし、フェラーリ創業者のエンツォ・フェラーリはこれを一蹴。

「お前らは技術者の誇りを傷つけた」「工場に帰ってダサい大衆車を作ってろ」「フォード2世はしょせん2代目だ。創業者とは格が違う」

散々フォードを罵って破談。フィアットの参加に入ります。

これを聞いたフォード2世は激怒。

「絶対にフェラーリをぶっ潰す!!」と息巻いて、オリジナルマシンでルマンに挑むことにしました。

 

この時、フォードのレースチームの統括になったのがマット・デイモン演じるキャロル・シェルビー。

そしてマシン開発、テストドライバー、レースドライバーを任されたのがクリスチャン・ベイル演じるケン・マイルズでした。

2人はフォード社内の政治力学に悩まされながらも、フェラーリを凌ぐマシン開発を進めます。

 

そしてレースは…というお話。

 

『フォードvsフェラーリ』のレビュー

主役の2人は安定の演技力。

クリスチャン・ベイル好きなんですよ。映画館で観るのは『聖杯たちの騎士』以来かな。『マネー・ショート』も良かったです。

『リベリオン』『バットマン ビギンズ』『ダークナイト』『ザ・ファイター』など、作品自体の良し悪しはあるけど、ベイルの演技はどれも素晴らしいです。

劇中のベイルはケン・マイルズ本人に似ています。

きっと「鼻の高いイングランド人俳優」ってこともキャスティングの理由になったんでしょうね。本物のケン・マイルズは鼻が高い英国人なので。

 

マット・デイモンも良いですよね。
元ドイツ代表のボランチ・バラック選手に似てるなーって昔から思ってるんですけど、どうでしょうか(笑)

説明不要の世界的俳優。

『グッド・ウィル・ハンティング』『レインメーカー』『プライベート・ライアン』『オーシャンズ11』『ボーン・アイデンティティー』『インビクタス/負けざる者たち』『インターステラー』『オデッセイ』

名作に数多く出演していますね。
こうして並べてみると「あれにも出た、これにも出てた」と改めてマット・デイモンのすごさを感じます。

フォードvsフェラーリでも最後まで魅せてくれました。

 

物語は大きな裏切りもなく、素直に展開していきます。

ちょっとビートニクっぽいレーサーたちと巨大企業のスーツ組との軋轢、親子愛、夫婦愛などを挟みながら、終盤の大レースへ繋がっていきます。

この手のレース映画って、だいたい主人公が所属している自動車メーカーのことが見終わった時には好きになるんですけど、この映画は逆。

フォードのことが嫌いになります。

フォードのお偉方が嫌な奴ばっかりんですよ。クソみたいな会社だなって思うようになります。

むしろ敵側のフェラーリの方が好きになるという不思議な気持ちに(笑)

エンツォ・フェラーリいいじゃん!!みたいな。

その点はこの映画の面白さだし、個性だし、実話ならではという感じですね。

 

そしてとにかく音が良い!!

エンジン音がカッコいいし、気持ちいいし、テンション上がるんですよ。

車のエンジン音って不愉快な音も多いんですけど、『フォードvsフェラーリ』のエンジン音は最高。

こんなエンジン積んだ車を運転したくなります。

そしてラストシーンでもエンジン音は重要な役割を担います。そっと目を閉じ、エンジン音に耳を傾けるシェルビーに胸が熱くなりますよ。

アカデミー賞で『音響編集賞』を受賞した理由が分かりますね。

映画館で観たいところだけど、上映期間はあとわずか。もし家で観るなら音質最高のヘッドホンをつけて爆音で観て欲しいです。スマホで観るとか絶対ダメ。映像もすごいので。

 

レースシーンはもちろん最高。

サイドバイサイド、スリップストリーム、ピットイン、夜のルマン、雨のルマンなど魅せるところでちゃんと魅せてくれます。

しかも、あの映像でCGを使っていないというから驚き。

この時代のピットクルーはのんびりしてるなーとか、この時代のレーシングマシンは危険すぎるなーとか、時代も感じますよ。

カーレース映画の最高峰の作品だと思います。

 

とにかく観ましょう。

7000rpm、320km/hの世界を堪能しましょう。

家族でも観れるし、恋人とも観れるし、一人でも観れます。マリオカートしか知らなくても大丈夫!

文句なしのおすすめ映画です。

車好きな男性は死ぬまでに絶対観るべき。観ないと生きてる意味がありません。

 

 

<参考>

wikipedia『フォードvsフェラーリ』ネタバレしまくり注意

wikipedia ケン・マイルズ

wikipedia キャロル・シェルビー

 

 

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